タイトル
◎小説◎
-SF浦島太郎-





第3話


俺の名前はタロウ=ウラシーマ。


…あれから2週間はたつのだろうか。

俺は今、リューグー星にいる。


あの日、俺は敵の宇宙人からの攻撃を受けた。

間違いなく俺の命は風前の灯だった。

もうだめだ!と思った俺は、あのときの記憶がない。

しかし、今俺は生き残っている。あの瞬間に何が起こったと言うのだ?

思い出そうとしても思い出せない…


俺の記憶がはっきりしているのは、

このリューグー星の病院のベッドの上で目覚めてからである。

どうやら俺はここまで運び込まれたらしい。

病院は数日で退院できた。

それから俺は、プリンセス=オトのいる宮殿に招かれた。



…それから現在に至る。

周りの召使たちは俺によくしてくれる。ありがたいことだ。

しかし、あの日一体何があったのか?と聞いてもと、絶対に答えてくれない。

青ざめた顔をして、そそくさと立ち去ってしまう。

どういうことなのだろうか?

あの日起こったことが俺に知られてはまずいのか?



…まあいい。俺は今生きている。

こうしていられるのも、俺をここまで運んでくれた者たちのおかげなのだ。

あの日のことをこれ以上詮索するような野暮な真似はしたくない。


…それから、さらなる月日が流れた。

ある日、俺はプリンセス=オトに呼び出されたのであった。


〜続く〜


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